第四話 程良く壊れて下さいな
という夢を見た。
ホレ其処、笑って構わないぞ。俺も朝不気味に独りで笑ったわ。
っつーかマジに誰ですかあの二人。というか何故か俺が居たし。……あぁ、俺? 俺は春日和途、一四歳の健全な男子中学生。二年。
朝起きる。あぁ、全くいつも通りだ。神様とやらが居るのなら、気紛れでたまにはRPGとごっちゃにでもしてくれないだろうか。
……まぁ、大変だろうから本当に一日で良いだろうが。
と、そんな事を考えている間にも時間は過ぎていく。あー、今日は遅刻かな? ……朝練? 俺が出る訳無ぇじゃねぇか。
……あ、全国の卓球部員の皆様ごめんなさい。
「おーい、和途ー」
やめて石投げないで……ってアレ? 卓斗。
「……はぁ、これが可愛い幼馴染みだったら」
「和途くーん、早く行こっ♪」
「文字だけだと誰か解らなくなる上にキモいと感じるのは俺だけだからやめてくれ」
で、とんでもないボイス(皆様には伝わらないが)を披露してくれたのは晶波卓斗。同じく一四歳、男子中学生。二年。
楓なる子が妹に居たのだが数年前に死去。葬式の時に随分と泣いていたのは見ていた。まぁ、楓ちゃん良い子だったしなぁ。
と、そういう物も物とせず……ってのは違うか? 元気にコイツは暮らしておりますよ、楓ちゃん。
「……アレ、つまりお前も遅刻か」
「いーのいーの、俺の予定だと其処の角で美少女とぶつかるから」
「ねーよ」
などというやりとりをしながら『其処の角』に辿り着く。と、
「……は?」
マヌケな声を俺と卓斗が揃ってあげる。
何があったかって? 無論美少女じゃねぇぞ。
……聞いて驚け、巨人の足だ。
「……は?」
もう一度呟いてみる。さぁ、皆さんもご一緒に。
「……はぁ!?」
言いながら巨人の足を見てみる。そして段々上へと視点を上げていく。
何か奇妙な気分である。東京タワーを見上げる田舎者のようだ。……俺の事だけど。
で、見上げた先に見えたのは、おーっきなおーっきな、
化け物。
……どうやら神様は、俺に楽しみをくれたらしい。それも、とびっきりの。……でもさ。
「……これは……」
「死ぬな」
冷静に言うんじゃねぇよ。
「で、和途」
何だこの野郎。
「俺、いつネトゲダウンロードしてインストールして起動してログインした?」
「知らんがな」
言いながら全力ダッシュ。同時に、化け物の咆哮が響き渡る。うは、怖ぇ……。でも楽しい、とか考えるのは俺が駄目な人間だから。
あ、でも駄目です、化け物歩幅広すぎます。神様は俺をレベル一状態でそれなりの敵と戦わせたようです。足が、足が降ってくる……。
……え、マジにグッバイ我が人生?
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