第二話 五つめのエンディング


 白と黒の光が交叉する。
 それは互いに弾き合い、そして、再びぶつかり合う。
『ジャンゴ! サバタはお前の兄だぞ!?』
 ジャンゴの奥底、おてんこ様が叫ぶように忠告する。
 余りに迷いのない――サバタを殺す気であろう――ジャンゴに流石に驚いたのだろうか。
(うるさい)
 その一言を心中呟くと、おてんこ様との会話を断ち切った。
 目の前に居るサバタ。それは、もう自分の兄ではない。
ただ、世界を滅ぼす為だけに存在する、銀河意思の玩具だ。
「どうした、ジャンゴ?」
「何でもないさ……!」
 そう、一言だけ交わし、再び剣は交叉していく。


 何度剣を交えたであろう。
 既に、両方が両方、傷だらけで在る。もう、一撃すら放てないかも知れない。だが、放たなければ、この世界は崩壊へと向かっていく。
「……うおおぉぉぉ!」
 ジャンゴが、サバタへと向かって走り出す。
「ジャンゴ……!」
 サバタが、黒い剣を放し、黒い光へと自身を変化させる。そして、ジャンゴへと走り出す。
「サバタ……!」
 同じように、ジャンゴも、白い光へと変化していく。


 昔から、双子は、魂が別れて生まれて来た物だと言われていた。
 だからこそ、自分と彼は、いつでも繋がっていると思っていた。
 だけど、何処かですれ違ってしまった。その違いは、もう戻せなくなった。
 どうすればいい?
 ……答えはただ一つ。魂を、一つに……。


「一緒に、堕ちよう」


 白と黒の光が、月全体を包んでいく。
 そして、




 太陽と月が、砕けて散った。
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