第一幕【世界の始まり】
テーマソング、AKINO「創聖のアクエリオン」


第一話 まあるいまあるい、破滅への道


 月、最深部。


「どうしたジャンゴ! 俺を殺せ!」
「無理に……決まってるだろ!?」

「今更何を言っている!? お前のその深紅のマフラー! それは誰の血で染まっているんだ!?」
「何……を……!?」

「お前が今までに狩った幾千のアンデット! 俺達の母さん、父さん! その全ての返り血で、お前のマフラーは染まってるんだよ!」
「……それが、兄さんの答えなの?」

「あぁそうさ、これが……俺の答えだ!」
「なら、容赦はしないよ」

「遠慮など要らない……さぁ、ジャンゴ」
「解ってるさ、兄さん。いや、サバタ……」

「勝負だ!」


「食らえ!」
 振り下ろされるブレードオブソル。切り落とした黒い手の在った場所には光が残光する。
 ヴァナルガンド――サバタの絶叫と共に、白い腕が振り下ろされる。
「甘い!」
 ジャンゴの懐から更に取り出される剣は、全き剣、グラム。
 鈍い音と共に、剣と腕がぶつかる。恐らく相当な重量であろうそれは、ジャンゴの躯を容易く押しつぶそうとする。
「どうしたジャンゴ! それがお前の全てか!?」
「……!」
 バゴン、という砕けるような音と共に、白い腕がはじき飛ばされる。
「ぜあぁっ!」
 再び、ブレードオブソルが振り下ろされる。その一撃は、ヴァナルガンドの腹部に吸収されている、サバタ自身の身体を切り裂いた。
「っぐあ!」
 短い悲鳴と共に、サバタはヴァナルガンドの内部へと消えてゆく。


「終わった……?」
 呟きと共に、二つの剣をしまうジャンゴ。

 同時に、ジュルジュルという何かを吸収するかのような音。
「!?」
 右手にブレードオブソル、左手にグラムを持ち、再びジャンゴはヴァナルガンドと向き合う。
 凝縮されていくヴァナルガンドで在った黒い光は、人の形を形成する。そして、それはサバタとなった。
「太陽と暗黒……今こそ」
 黒い剣が現れる、
「雌雄を……決す!」
 無言で、ジャンゴは二本の剣をしまい込む。しゅるり、と横からおてんこ様が湧くように出てくる。
「ジャンゴ……」
「行くよ、おてんこ様」
 そう、一言だけ放つと、右手でおてんこ様を掴む。じっとサバタを見つめ、息を吸う。
「太陽!」
 大きく、おてんこ様を持った右手を天に捧げるかの如く上に掲げ、ソル・トランスを行う。
 だが、その姿はソルジャンゴではない。金色に輝く光を身に纏ったジャンゴ本人の物だ。
「行くぞ……」
 右手に、光の剣が現れる。
「暗黒少年サバタ!」
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