第九話 覇王、出陣


麗華が目を覚まし、完全に復旧の終わった城の食堂へと向かう。
すでに悠斗達は来ていた。

が、何故か真那だけ疲れた様子。
悠斗は何だか体力が回復したかのような状況。

恐らく彼の中のイセリアが何か起こしたのだろう、と納得し、
麗華は何も聞かないことに決めた。

真那「ったく、堕天使の力の採取の仕方がありえねぇよ……。」
悠斗「まぁ、姉さんは必要以上の事を『非常用』って言って行うヒトだからな。
   自分の興味のないことは別だが。」
スプーンの形状をフォークに変えたりして弄びながら、悠斗が答える。
麗華「お疲れ〜。」
そう一言だけ言った後、麗華は朝食を取り始めた。

悠斗(……姉さんが頭の中でゴトゴト言ってるよ……)
悠斗が呆れたような表情をしたのを見た者は居ない。


と、二人の人物が食堂に駆け込む。
悠斗「よぉ、凌、宵。何か見つかったかよ?」

凌「あぁ、取り敢えず天界の場所は発覚したぜ。」
自慢気に時計のようなモノを手からぶら下げている。
チャリン、と音を立てたソレは、真那と共鳴するかの様に音を響かせる。
この時計のような機械は、
昨夜、悠斗が出現させたイセリア(詳しく言うとちょっと違うのだが)が、真那から採取(?)した堕天使の力を利用したモノである。
堕天使とは、文字通り堕ちた天使。つまり、裏切り者である。
そして、その堕天使の力を天使達の近くへやると……

宵「堕天使の力に反応した天使達の来た方へ向かったら、簡単にな。」

と言うことである。


二人が順に報告すると、麗華が立ち上がる。
麗華「じゃぁ早速!」

悠斗「戦闘、と行くかい? 見つかったことくらい、敵さんは承知さね。
   随分と準備してるハズだぜ?」
麗華「じゃぁ何? ここで指くわえて鑑賞してるの?」
悠斗「そうじゃぁないさ。ただ……」



フォークから更にナイフへと形状を変えていたスプーンを机に突き刺す。
悠斗「やるからには全力で、って事さ。」
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