第八話 妖銀の女神

???「おい、起きろ! 和途!」
和途「!」

飛び起き、相手から距離を取る。
???「おわ、起きた!」
和途の目の前にいたのは、将也では無かった。

和途「……卓斗! 何でお前こんな所に居るんだよ!」
卓斗「いや、何か変なヤツが来たと思ったら、ここに連れてこられた。」
それを聞き、すぐに飛び出ようとする。

卓斗「無駄、ドアは開かねぇし、壁メッチャクチャ堅ぇの。
   食事の時に来たスプーンで叩いてみたけど、欠片一つ飛び散らねぇ。」
和途(なら……)
牢独を喚ぼうとするが、反応は無い。
否、力が発動できない、のだ。

力を放出する場所に蓋をされたかのようで、気分が悪い。

和途(……さて、どうするかなぁ……)


???「……出るぞ。」
和途「!?」
  (いつの間に……!?)
突然ドアの向こうから聞こえる声に驚く。
気配なんて全く感じられなかった。

卓斗「っつーかアンタ誰? 出してくれるのは嬉しいけど。」
結構クールな卓斗に脱帽する和途。

???「……アデル=ヴァン=レイヴルーム。
    ……アデルと呼んでくれればいい。」

言うが早いか、剣が宙を舞い、ドアが崩れ、
周辺の物質が瓦礫となって和途達を襲う。
かと思えば、アデルと名乗った女性の剣から風が現れ、
和途達の上に降ってきた瓦礫を払った。


途端、閉められていた蓋が開いた気がした。
どうやら、この壁の材質が何か特殊な物らしい。

改めてそのアデルを見ると、
正に絵に描いたかのような美人。恐らく二次元世界の住人だろう。

……そんな事を考えれば、悠斗や真那だってイケメンだし、麗華は美人だし、とキリが無いのだが。


と、ふと疑問が湧く。
卓斗「何で俺達を助けたんだよ? 関係あるわけでも無いのに。」
和途が言おうとした言葉を、卓斗が放つ。

アデル「……協力して欲しいだけ、さ。
    このまま朽ち果てるよりは、私に利用された方がマシだろう?」
そう言うと、アデルは腰にあるもう一方の剣を抜き、歩き出した。
卓斗は未だ不信感を持っている。それは和途も同じ、だが。
和途「行こう、卓斗。ここに居ても始まらない。」
そう言って和途が歩き出すと、卓斗も歩き出した。
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