第五話 終わる始まり
真那「!」
(和途のヤツ……!?)
真那が何かを感じ取る。
雰囲気的に、どうやら和途が危機に瀕しているらしい。
どうやってこの天使の軍団から抜け出せば良いのか考えていると。
何体もの天使が、剣を振り下ろしてくる。
真那(ヤバッ!?)
「嘆唄!!」
出来るだけ大きく生み出したその魔法陣の上に存在していた天使達が、
一瞬で焼却される。
が、遠方で待ちかまえていた弓兵の矢が、真那を狙う。
真那(……間に合わな)
「こんなのに手こずるたぁ、餓鬼か?御前は。」
誰かがそう言った瞬間、真那を狙っていた矢どころか、
周囲にいた天使が全て滅却――いや、『分解』された。
真那「! ……悠斗!」
悠斗「他人の名前呼んでる暇があったら、さっさと行ったらどうだ?」
悠斗がそう言うと同時に、真那の背から翼が飛び出す。
真那「……頼む!」
そう言い残すと、真那は出口へと飛んでいった。
そして、再びあの穴から天使達が大量に現れる。
悠斗「……雑魚が、傷一つ付けられない相手に刃向かうんじゃねぇよ。」
悠斗が手を向けると、そこに居た天使達は、『分解』された。
城の出口。そこに辿り着いた真那が見たモノは、
倒れ込んだモノを連れて逃げようとする天使と
和途「……」
血に塗れた黒い剣を持ったまま立ちつくす和途。
真那「和途、大丈夫」
か、と紡ごうとした口の前に、黒い剣が突きつけられる。
和途「真那……逃げ」
途中まで言いかけた言葉は止まり、剣が真那へと襲いかかる。
どうにかして迸雷で受け止める。
真那(力の暴走……!)
少し後ろへ飛んで距離を取った後、翔朱を抜く。
和途「黒龍!」
真那「紅蓮!」
和途の剣に沿って生まれる黒い何かと、
真那の剣に沿って生まれる炎が、激突する。
互いが弾き飛んだ後、真那がバランスを崩す。
真那の着地点に、天使の死体があった。
その戦いの中、和途は悟っていた。
結局自分は、生にしがみつきたいだけなのだ、と。
和途「我、望む。今この刻、來るべき終末をここに喚ばん事を。」
黒い剣が弾け飛び、和途の周りに黒い光の筋として集まる。
真那が体勢を立て直した瞬間、和途は真那の目の前に居た。
上から殴られる。と同時に、腕に集まっている黒い光の筋が真那を切り裂く。
和途「ジャッジメント」
真那(ヤベェ、防ぎきれない!?)
死ぬことは勿論ありえないだろうが、しばらく行動不能には陥るだろう。
自分がここで止められなかったら、誰に殺されるか分からない。
上から殴った瞬間、和途の手の先に集まっていた黒光が、真那の腹部にあてられる。
真那(チ……ィ…!)
和途「ゼ」
黒光が爆ぜようとした瞬間、和途が力無く地面に倒れ込んだ。
その和途を支えている人物は……
真那「将……也……?」
将也「よう真那、久しぶりだな。」
そう言った後、将也は和途を抱えて飛ぼうとする。
真那「待て、どこに行くつもりだ!?」
将也「何、天界に行くだけさ。」
真那「将也、お前!?」
そう叫んだ真那に一言、将也は言った。
将也「お前もこいつも、ヒトでも神でもない半端なモンなんだよ。」
そう言い残して、将也は飛んでいった。
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