第二話 気紛れな、魔王


崖から落ちていく。
和途(んぁ〜……短い人生だったなオイ……)
別に何を悔やむ様子も無く、ただ、生を手放す事だけを考えている和途。

上から、グールの声が聞こえる。何だか、笑い声の様に。
と、無性に腹が立ってきた。

和途(生き残ってやる。そんでもって、あいつら全部ぶちのめす……!)
簡単に言おう。この瞬間、和途はキレた。


???『生き残りたけりゃ自分の力で何とかしな』

誰かの声が聞こえる。
……誰だ?


何はともあれ、どうにか出来ないかとリュックの中を探す。
が、中身は携帯ゲーム等、いかにもひきこもり感溢れる物しか入っていない。

と、ふいに景色が変わる。
自分が居るのは、先程まで立っていたハズの場所。

グールの集団のど真ん中。

和途(な、何が何だか分からんが……とりあえずピンチ……?)
大ピンチからピンチへ。危険の度合いが多少下がっただけだ。

が、これだけグールが居たらなぶり殺しは間違いないだろう。
残念ながら天気は曇りだ、どうしようもない。

???「邪魔だ、ウザイ。」

その一言が和途の耳に届くと同時。

グールの集団が、一瞬にして押しつぶされた。
和途は巻き込まれず、その周囲の地面はへこんでいる。

呆気にとられている和途の横に、その声の主は降りてきた。

その横にいる少年。それを見た瞬間、和途は確信した。
会ったことの無い少年の名を。

和途(藤薙……悠斗……ッッ!)
圧倒的な存在感。
表すとすれば「魔王」。

実在の人物ではない。
モデルは作者自身だそうだが、一応彼も二次元の世界の存在だ。

つまり、AW――『アナザーワールド』、も二次元の世界として、
この世界と入り交じったという事になる。


一瞬こちらを見た後、悠斗は空へ飛び上がろうとする。
和途「な、何で俺を助けた!?」

自分が如月 真那ならともかく。和途はそう思いながら問う。
と。

悠斗「何、知ってるヤツと同じ感じがしたんでね。」

そう言うと、魔王は掌を和途に向ける。
和途(あ、ヤバ、次元連結!?)

消される、かと思いきや、
空間がガラリと変わった。

世の中を知らなくても分かる。
ここは、日本でも、外国でも、っつーかそもそも地球上の所じゃ無い。

悠斗「ようこそ、魔界へ。」

いたずらっぽく、魔王、藤薙 悠斗はそう言った。
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