第十九話 悪夢より出で、悪夢より逃げる者
――全てを壊そう。何も起きないように。
――全てを消そう。そうすればもう、哀しい事なんて起きないから。
――全て無くなれ。何も要らない。泣かなくて済むのなら。
コワセコワセコワセケシテシマエ――
城に戻った麗華達、だが。
天界より、天使達が現れた。
麗華「あぁ、もぉ! 何で天使達が攻めてくる訳ぇ!?」
凌「それはこっちが聞きたいぜ……。蒼雷ッ!」
蒼き雷は、天使達を吹き飛ばし、残骸へと変えていく。
麗華(宵……早く見つけて!)
一方。
宵は、天界より帰らない、悠斗、真那を探すことにした。
彼等が帰って来ない上、天使達が攻めてくるとなれば、
恐らく彼等は、既に天界からは『消されて』いるだろう。
宵(せめて、悠斗の肉片か何かでも見つかれば……!)
『神』である悠斗。
いつ、何が在ろうと、存在しなければならない者。
故に、彼の記憶は全てバックアップしている。
彼の欠片でもあれば、そこから培養して、記憶を植え込めばいいのだ。
まぁ、最近は怠けていたから、最終的には、消息を絶った悠斗の魂を見つけ、
記憶をラーニングさせなければいけないのだが。
真那には悪いが、彼のことは、天界の騒動を終えてからだ。
全てが終焉に包まれた後では遅いのだ。
卓斗は、和途の看病をしている。
あれ以来目を覚ますこと無く、魘されている。
自分には何もすることが出来ない。
ただ、自分が非力で、腹が立つ。
卓斗「……チキショウ……。」
卓斗の呟きと共に、先程まで姿を消していた大剣が、再び卓斗の手元へと現れた。
そして、
悠斗「で、ここはどこだっての……。」
魔王は、只独り、白しか存在しない世界へと漂流していた。
ふと気配がした方を見ると、其処には、
死を望む親、ソレを拒む者。
ただただ沈黙の後、神を殺し神となった、紅い眼の少年。
悠斗「…………!」
声にならない悲鳴は、悠斗の中で暴れ続ける。
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