第十六話 K
ジャンゴ「……ぁ……ッ!」
ズルリ、と鈍い音を立て、赤い槍がジャンゴから抜かれる。
そのままジャンゴは地に伏せる。
伯爵「残念です、キング。これでお別れとは……。」
太陽に頼りすぎましたな、と呟くと、伯爵が、槍を高く持ち上げた。
ソレが、振り下ろされる瞬間。
ジャンゴ「ウアアァァァァァァァァァァ!!!!」
何かが爆ぜたかのようにジャンゴが叫ぶ。
それは、ヨルムンガンド騒動の時に、自身の暗黒の力を制御できなかった時の声と同じだった。
爆発する黒い闘気。
燃えさかる黒炎の中から
ヴァンパイア状態のジャンゴが姿を現した。
伯爵「む!」
伯爵が槍で襲い来る爪を止めようとするが、
ジャンゴ「邪魔だぁぁ!」
それは、刀が紙を切るように、するりと斬られた。
目には目を、と言ったところか、伯爵には、矢張り暗黒の力が効くようだ。
伯爵が反撃を試みるが、生み出した端から槍は斬られ、自身の体は傷を負う。
一瞬空いた隙に、ジャンゴの拳が腹に入る。
伯爵「ヌオオッッ!」
勢いよく吹っ飛び、玉座に叩きつけられる。
ジャンゴ「Jだか何だか知らないが、あまり俺を甘く見るな。んなに王が欲しいんなら……。」
玉座に座るようになった伯爵の前でジャンゴが呟くと、
彼の右手に、血に濡れたように紅い、槍があった。
伯爵「ソレは……!」
ジャンゴ「そうだ、アンタ達を縛り続ける戒めの槍だよ!」
そう叫んだジャンゴが振り下ろした槍は、伯爵を貫き、玉座までも貫いた。
ジャンゴ「王が欲しけりゃ、そこで王様気取ってな!」
そう言って踵を返し、ジャンゴは立ち去ろうとする。
伯爵(目覚めましたな……Kが……。)
心中でそう呟くと、伯爵はそこで息絶えた。
それと同時に、ジャンゴの手元に在ったグラムが、紅く染まる。
ジャンゴ「戒めの剣、バルムンク……。」
ヴァンパイア状態のジャンゴは、そう呟き、笑った。
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