第十三話 忍び寄る、漆黒の海


将也「っづ……」
和途は貫かれる事は無かった。が、将也が大きな傷を負うことも無かった。
辛うじて、圧し勝った。
和途「どうだよ、『劣』灯疾は!」
そう言った和途の真横で、卓斗が吹っ飛ばされる。



卓斗「っつぁ!」
声を上げた卓斗の右腕には、痛々しい傷がある。
そこから止め処なく血が溢れている。

レル「貴方達みたいな人がいるから……。」
そう呟いたレルが銃の引き金を引いた瞬間、

卓斗の手に、大剣が召喚された。
卓斗「アアアァァァァァァ!!」

雄叫びを上げながら大剣を振り回す卓斗の後ろには、
確かに、少女が居た。
卓斗の背後に確かに存在する少女を見て、和途が絶句する。

和途(……楓!?)

晶波 楓。
卓斗の妹であり、様々な面に置いて卓斗を支えていた子。
だが、確か彼女は何年も前に死んだはず。

卓斗「翠星ッ!!」
刹那、レルの懐に飛び込んだ卓斗の剣が、逆袈裟にレルを切り裂く。

レル「あ……う!」
衝撃で吹き飛ばされたレルが、壁に当たりうめき声を上げる。

未だ楓の事を考えていた和途は、アデルの声で我に返る。

アデル「重覇!」
長刀から発せられる衝撃波により、ヴァンダは潰されそうになる。
が、どこから取り出したのか、チャクラムがアデルへと飛ぶ。
それを察し、アデルは軽やかにかわしたが、
瞬間生まれたその隙に、ヴァンダはアデルの懐に居た。

将也「よそ見すんなよ!? エンハース!」

和途(ヤバイ!)
周りを気にしている間に、将也のレヴァンテインは、ディラックの海を纏っていた。

そして、気づいた時には、卓斗も、アデルも、そして自分も、
同じ場所に追い込まれていた。

将也「エクステンション!」
レル「カオスサイズ・エンド!」
ヴァンダ「完全武装!」

奥義三連続ってベタだよな、と、死の淵に立たされた和途は思った。
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