第十二話 突貫、そして


悠斗「獅子嚇。」

そう一言呟いた瞬間、範囲内にいた天使達は、潰れていく。

麗華「うわ、グロ……」


真那「お前がその台詞言うたびに思うが、お前が言えた事じゃ無いと思うぞ?」
真那がそう言いながら麗華の方を向くと、


血まみれの天使の山に麗華が立っていた。
真那(……ホラな……。)


あきれ顔の真那が、肩をすくめる。


真那(にしても……。)
くるりと振り返り、真那が周囲を確認する。
壁が続いている。いちいち別の部屋に行くたび、戦闘が続く。
迷路を一面一面攻略している気分だ。しかも敵付き。
麗華「いちいち行くのめんどくさいなぁ……。」
そう呟いた後、ニヤリと笑みを浮かべ、悠斗の方を向く。

悠斗「壊せ、ってか? んな事やったら見つかるだろうよ。
   こそこそ隠れてんのもダサいが、馬鹿みたいに体力使うのもダサいぜ?」

悠斗がそう言った瞬間。
ズルリと、何色でもない光が悠斗の中から抜け出す。

真那がそれを見て後ずさりする。

イセリア「非道いわね、真那ちゃん。ママを否定するなんて……。」
見事な泣き真似をした後、イセリアは真那を見る。

イセリア「……後でお仕置きが必要ね♪」
真那(勘弁してくださいッッ!!)

そう言うと、イセリアは掌を壁へと向ける。
悠斗「ちょっと、姉さ」

悠斗の言葉を爆音が遮り、壁が全て砕け散る。

悠斗(……やっちまいやがった……。)
呆れながら肩をすくめる悠斗の中へ、イセリアは戻っていった。
イセリア「真那ちゃん、今晩楽しみにしてなさい♪」
一言、言い残して。

真那「……。」
呆然とする真那。
そんな真那を見た麗華は心の中で、回復薬を作っておいてやろう、と密かな同情心を抱いていた。


壁が砕け散り、完全な直線となった部屋の奥を見つめると、
そこには玉座があった。

悠斗「さて、行きますか。」
悠斗がそう言った瞬間、
すぐ左の壁が崩れ落ちた。


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