第十一話 レツ
弾丸は、天使を軽く貫いた。
卓斗「へっへー♪」
和途「お前、どこからそんなモン……」
牢独を手にしながら、和途が唖然とする。
卓斗「フッ、忘れたか、俺が武器マニアだと言うことを!」
あぁ、そういやそうだった、と和途は心中呟く。
卓斗はかなりの武器マニアで、実銃を集めていた。
……法に触れるかどうかは知らないが、最早この状況で法が意味を成すことは無いだろう。
そして、卓斗が現在持っている銃の名前は、
確か『M700』とかいう代物だ。
これについて何度語られたかは数えていない。恐らく四桁は行くだろうが。
ボルトアクション、とかについてはよく解らない、が。
凄い、という感想だけは抱いておく。天使も一撃だし。
アデル「……早く行くぞ。」
いつのまにやら天使の山を作り、その天辺で落ちてくる羽を浴びていたアデルが促す。
卓斗「……すっごい怪しいよな、アイツ……。」
和途「……そうだけど、行くしかないさ。」
卓斗の耳打ちに肩をすくめて答えると、和途は歩き出した。
と、目の前に三人の天使が現れる。
が、その内二人に、誰か乗っている。
和途(……またかよ……)
現れたのは、レル、そして将也。それと……?
将也「あぁ、此奴はヴァンダ。覚えたかよ?」
将也がその手にレヴァンテインを召喚しながら呟く。
ヴァンダ、と呼ばれた少年は、首にかけた剣型のアクセサリを掴む。
ヴァンダ「武装合体!」
一言、呟いた次の瞬間、アクセサリは剣へと変化していた。
ソレを使い斬りかかってくるが、アデルが抑える。
アデル「……逃げるのは不可能だ! 戦うぞ!」
チ、と舌打ちをした後
和途「了解ッッ!」
将也に向かって和途が突っ込む。
突っ込む瞬間、疑問が浮かぶ。
和途(卓斗のヤツ、弾丸なんてどこに持ってるんだ……?)
友を案じた瞬間、銃声が二つ響き、互いの弾が相殺される。
何だか分からないが、戦うことは出来るらしい。
そう結論付け、振り下ろされたレヴァンテインを牢独で受け止める。
受け止めたと思えば、将也は距離を取る。
と、将也の周辺に炎が生まれ、
その炎は、レヴァンテインへと。
和途(龍刃……!)
刺す箇所も、攻撃の仕方も分かっている。つまりは、天泣だ。
が、その速度の攻撃を避ける手段を、和途は知らない。
和途(……やってみるか!)
牢独を正面に構える。
同時に、炎が周囲に集まる。
和途(お、使えた……。)
原子配列変換。真那の能力を、どうやら使うことが出来るらしい。
なら。
その炎を、牢独に纏わせ、高熱状態にする。
後は……。
将也「オオオッッ!!」
刹那、レヴァンテインが纏っていた炎が爆ぜるように光ったかと思うと、
正に神速なる速度で、将也は和途を斬ろうとした。が。
和途「『レツ』!」
そう言った瞬間、和途も神速で駆け出す。
将也「龍刃!」
和途「灯疾!」
炎と炎が、舞い、激突した。
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