第十九話
二度、三度。剣と剣が鬩ぎ合う。
既に世界の大半を所持しているサバタの能力は俺を遥かに上回っているはずだが、
その一撃は常に何かの力に阻まれる。
「はぁぁぁぁっ!」
袈裟に振り下ろされた暗黒の剣によってシュヴルツが弾かれ、無防備になった俺の頭にサバタの持つ銃が突きつけられる。
弾丸が放たれるがそれと同時、それらはその場に静止する。
「何……!?」
サバタの浮かべる驚愕の表情をそのままに俺はシュヴルツを渾身の力で振り下ろす。それを難なく受け止め、次の瞬間暗黒の魔法が俺の周りを取り囲んでいた。
数えるのが面倒なほどのそれが俺へと降り注ぎ、
しかし俺は傷一つ負わない。
ザァ、と俺の周りを防ぐように展開されていた鳥の翼が虚空へと消え去る。
「く、……!」
俺の一撃は止められる。それはそうだ、サバタの力は俺より遥かに上なんだから。
しかし、
「何故だ、何故……!」
こいつの一撃もまた、俺には届いて居ない。
俺が手を前に突き出すと同時、察したかサバタが飛び退く。
……、遅ぇ。
指を鳴らすと同時、サバタの居た場所が炎に埋め尽くされた。
その中に暗黒魔法の発動を感じ、同時にサバタは無傷であることを悟る。
「……穿て!」
叫び、シュヴルツを振る。
自分の展開した炎と、そしてその中心にあった闇の壁を突き抜け、剣によって生み出された衝撃がサバタへとぶち当たる。
「ごっ……!」
届いた!
「……、ぐ、おおおおおああああああ!」
紅い血を撒き散らしながら、漆黒の魔法――見た事があるのかも知れないが生憎その記憶すら無くなっているので解らない――をこちらへ向けてサバタが放つ。
ガン、とシュヴルツを眼前に突き刺し、それと同時に盾のように、壁の様に、俺の前でそれは姿を変える。
ドゴン、と派手な音を立てて一瞬だけデスが堰き止められる。そして一瞬あれば十分、
発動させた黒の右腕がその全てを食い散らかす。
「食らえぇぇぇぇぇっ!」
シュヴルツが元の姿に戻り、その向こう側に捉えたサバタへ向けて、吸収したその全てを投げつける。
「こ、っの」
暗黒の剣によってサバタがそれを切り裂く。
切り裂いた頃には、俺はサバタの方へと跳び上がっていた。
サバタがこちらを向き、その表情に驚きが見える。
「何故だ……何故、お前が其処に」
さあ、これで最後だ!
闇の中から、後はお前が引きずり出せ!
「行け、ジャンゴォ!」
黒の右腕の中から黄金の光が溢れ出し、
その光を纏った俺の右腕が、サバタの身体を貫いた。
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