第二十九話 終わりへ向けて
突入したのは学校側の人間――要は緋芽達らしい。
あとリンゴの奴も居たみたいだが、砲撃システムはどう切り抜けたのだろうか?
「ああ悪い、騙してたのは地上勢力の話だけじゃねぇ」
「……ユグドラシルも奪われた訳じゃ無かったと」
事実を聞きながら春日はため息を吐く。
太陽都市側の砲撃システムには既にロックがかかっているらしい。
流石は真那のペルソナ、仮面なんてのは欺く為の物だと証明せんばかりだ。
そんな話をしながらリンゴ達が使ったであろう転移魔法陣まで辿り着く。
丁度太陽都市の真下に位置するが……。しかしリンゴ達は砲撃システムが停止した事をどうやって知ったのだろう――。
「しかしリンゴよ、何度考えてもあれは無謀だったぞ」
「良いじゃないかおてんこ、最終的に消えた訳じゃないんだから」
答えたリンゴをおてんこ様の手(?)がぺしんと叩く。
意外と痛かったらしく自分の手で頭を押さえたリンゴをその上からもう一度叩く。
「しかしビックリしちゃったわよ」
秋宮が言う。
それもそうだ。
おてんこ様が其処にしゅるりと出現してくるあれ。
撃たれたらそれで回避しろ、ということで転移魔法陣の設置のために、砲撃システムの真下にリンゴがおてんこ様を投げ出したのだ。
ところが砲撃が来なかった為そのまま魔法陣を設置してきたと。
「……まるでギャグだ」
「そのままギャグで全部終われば良いんだけどね」
卓斗の呟きに篠鐘がため息で答えた。
――いややっぱどうでもいいや。
そんな結論に辿り着いて春日は大人しく転移魔法陣の上に乗った。
光が自分たちを包んだかと思うと一瞬にして空に舞い上がる。
いつも戦闘中に空を跳ぶのとは違う飛翔。
奇妙な感覚に身を任せながら太陽都市へと上がっていく。
地上に残党が居たとしてもあれだけの覚醒者が居ればどうとでもなるだろう。
考えている内に光の玉は速度を上げていく。
「……真那」
「なんだよ」
問われる事もその先にある結果も互いに予測しながら会話する。
「突撃するだろコレ」
「どうやらそれが普通らしい」
とても敵の本拠地に突撃するとは思えないな、
そう考えている内に光の玉は太陽都市内に突撃した。
すぐに光の玉が消滅し、鳴神を抱え込みながらどうにか着地する。
真那はまるで猫でも持つかのように椚を掴んで着地していた。
「よし、行くか」
言いながら如月真那は朱い大剣を抜き放つ。
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