第二十一話 終わらない未来へ
夢が壊れた。
それと同時に、俺の体がぼろぼろと崩れていく。
目が覚めた其処は、空の上。上方には太陽都市が見え、それは俺に向かって砲撃を放とうとしている。
真横に向かってユグドラシルから砲撃でも放ち、反動で避けようと思ったが、俺の下にはリンゴ達が居た。
キュンッ。
一瞬鳥が囀るかのような音が聞こえそれと同時に閃光が俺の体を焼こうとする。
レイプトラズトは――無理だ。デウス・エクス・マキナと一緒に砕かれた。
そもそも、これを防いでも俺は恐らく消える。
……な、ら?
何だか、希望は残せるが何だか嫌な物を思いついた。
しかし、これはどう考えても平凡を望んでこの世界に来た俺の願いには――。
……忘れてた、そもそも緋芽を助けるって決めた時点で人としての資格は捨ててたんだった。
まるで世界が時計を遅らせるように、ゆっくりと閃光がこちらへと降ってくる。
そして、俺は両手をゆっくり横に広げる。
いつ目を覚ましたのやら、リンゴの声が聞こえる。
それは言葉にもなっていないような叫び。
俺が何をするか解って、そしてそれを止めようとしている声。
全く、会ってから大して経っても居ない人間を心配するとは。
……ジャンゴがああ育つ訳だ。
光としてしか認識出来ない速度のそれは、もう俺の視界を全て埋め尽くしている。
息を、吸い込む。
多分、これならリンゴは生き残れる。
この遅くなった世界の中で、よく見てると解る。
目の前の光の柱、それは、俺一人焼き尽くせば終わるように出来ている。
章人の奴め、全くひねくれてる。
もう鼻の先までその光は迫ってきた。
それにしても、章人の奴は知らなかったんだろうか?
いや、俺という存在を知らないとしても、春日和途という個体の知識は所有しているはずだ。
つまり、これから俺が行うそれさえも、あいつは多分解ってやったんだろう。
……記憶が吹っ飛んでんだか飛ばしたんだか知らないが、本当にひねくれた奴だ。
他の春日は、あいつとどうやってんのかねぇ?
じり、と。皮膚にそれが触れた感触がした。
不思議と笑みがこぼれる。
可笑しいな、死ぬのは嫌なんだが、恐怖がない。
余りの恐怖に色々吹っ飛んだか。
そして、時間は本来の速度を取り戻す。
――やってやるさ。
何かが蒸発するような音と共に、砲撃が空を穿った。
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