第十五話 俺と僕と憧れと世界樹と
世界は廻っている。
ソレが何を掴む為のモノなのか、僕達は知る由もないが。
卓斗「っぜああぁぁぁ!」
煌月崩壊、
周囲に大剣が突き刺さり、グール達が消えていく。
凌「……フェンリル!」
ソゥハイトの解放。
魔狼、白銀の大狼が全てを食らいつくすかの如く現れる。
凌「食らえ。」
凌の言葉に、魔狼は応える。
フェンリル「んじゃま宵さん達よ、出番が無くなろうと、恨むなよ?」
はき出されるのは蒼の炎。
焼き尽くされ、道が空いた所へ、凌が滑り込んでいく。
凌「さてさて、暴れるかな!」
一方、和途。
和途(……此処……何処?)
それもそのハズ、グール共を一掃していたはずの彼は、
何かよく解らない空間にいる。
まるで、あのユグドラシルと対峙した時のような、草原。
まぁ、今回は世界樹は見えないが。
つーか、此処は……?
和途(……エイナと……?)
「そ。良く思い出せたじゃあ無いか?」
噂をすればなんとやら。
和途「あぁ……。えーっと、二年ぶり、だっけか? 『僕』?」
エイナ「まぁ、『俺』の中にずっと居たんだけどね、僕は?」
ま、そりゃそうなんだがな、と和途が呟く。
和途「で、なんだい? 本物はどーっちだ? ってやるのか?」
以前あった……その争奪戦をやるのか? という挑発に対して、
エイナ「何、そんな事はないさ。僕はアレで負けたしね。君は確かに春日和途だよ。そして僕はエイナ=メハ(もう一人)。」
だから、とエイナは続ける、
エイナ「奪いに来たよ、春日和途を! 君をエイナへと蹴落とす為に僕は来た!」
和途「ふむ、俺との対決には変わりない訳か。」
次の瞬間、
荒々しく黒い光を放つ右腕と、
白銀の剣が交差する。
和途「俺の武器はこれかい?」
エイナ「これが僕達だからね。」
弾く、
和途(なら。)
右腕を前へと突き出す。
同時、エイナも剣を前へ突き出す。
和途、エイナ
「來喚、ジャッジメント!」
和途《なっ!?》
エイナ《悪いね、僕は俺と同じ、そう言ったろ!?》
二人が同時に力を総解放する。
ぶつけ合った断罪の力は相殺し、來喚が解ける。
和途「じゃ、コレは真似できないだろ? だって俺の『憧れ』だからな。」
もう一度、右腕を前に突き出す。
和途「來喚、如月真那!」
朱眼銀髪へと変化する。
エイナ「甘い、そう言っただろう? それが俺――表ならば、僕はその裏さ。」
剣を突き出す、同時、
世界に、世界樹が現れた。
エイナ「來喚――。」
和途(……な!?)
エイナ「ユグドラシル!」
『僕』の後ろに現れたのは、朱眼銀髪の、歪んだ姿。
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