第一話


 春は出会いと別れの季節。
 そんな風に言い出したのはどこの誰なんだろうねぇ?
 とりあえず、俺こと春日和途は無事高等部に進学となりました、っと。
 真那と震電の奴は入れ違い(って表現で良いのか?)に卒業してった。
 ……悠斗? アイツはダブりだったからな。
 なんで過去形か?
 あいつ転校しちゃったし……。取り敢えず平凡な日々になりそうだ。
 そうそう、転校と言えば、後を追って篠鐘の奴も転校していった。
 いやはや、あいつが篠鐘財閥のご令嬢、ってのは知ってたが、
 まさか悠斗を追って学校変えるとは思ってませんでした。
 あれー、ヤンデレ克服したんじゃなかったのかしらあの子?
 しかし、あれだな。
 一人の都合でもう一人転校って、親の転勤で引っ越す兄妹かってーの。
 いや、悠斗のことだから親子とか来そうだな?
 ……いや、まさかな。
 そんな事を考えながら入学式前日、学生という訳でも無いのでニートなんだろうかこれ?
 なんて呟きながらゲームをやっていたら、携帯が甲高く叫び声を上げた。
 あー、うるさい。マナーモードにするの忘れてたぜ……。
 横に着けられたボタンを押し、携帯を開く。
 適当にメール画面を開いて内容を確認……、なんだ悠斗か。
『しぬたせけて』
 ……知らんがな、っと。
 しかし微妙に誤字ってる辺りがリアルだ。
 それポチっとな。
 送信してから画面に向き直る。くそ、明らかに難易度異常だろこれ……。
 と思いながらコントローラを握った瞬間携帯がまた鳴り響く。
 うぁー、うるせぇ!
 数秒前と同じ手順を繰り返してメールを確認する。また悠斗かよ。
『ということで無事下宿先に着きました(キラッ☆)』
 ……明らかに違う人間の打った文面である。
 あからさまに誰か予想しやすいが誰とは言わない。
 何か言うとすれば、
 添付されていた画像は俺の記憶から無かったことにしておいてやる、ということだけだ。
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